初級フランス語/中上級フランス語

担当教員:中村翠
Instructor:NAKAMURA Midori

概要

Abstract

フランス語は、多くの人にとって大学で初めて学ぶ言語です。時には英語と比較したり、街中で見つかる間違いフランス語をつついたりしながら、フレッシュな気持ちで学びましょう。ネイティブの先生と組んで、初歩の文法や発音から伝授します。
最初は規則を覚えるのに手こずりますが、いちばん大変なのは最初で、その壁を超えてしまうと案外規則のリサイクルが多くなってきます。つまり、続けるほうがお得です。その証拠に(?)、下の紹介文を書いてくださった石坂さんは、今年度中上級クラスに入って飛躍的に伸びました。「フランス語なのに英単語が頭をよぎったり」(引用)というのは、以前石坂さんとお話しした時にでてきたあの現象のことですね。フランス語学習者あるあるです。なんのことか知りたい方は、ぜひフランス語を初めてみてください。

なお、授業紹介ページのアイキャッチ画像は、ゴッホの「アルルの跳ね橋」のモデルになった場所です。

履修生による紹介

─2022年度 美術科 3回生 石坂瑛未
(2021年度初級フランス語履修・2022年度中上級フランス語履修中)

良く晴れた日曜日、私は市場で新鮮な野菜を物色する。今日はトマトが美味しいらしいので、トマトをいくつか購入した。その後は、オルセー美術館に足を運び、画集でしか見たことのない作品を心行くまで鑑賞するのだ。

夕食は、ゴッホの「夜のカフェテラス」のような場所で軽く済ませた。満ち足りた気持ちで夜の街を散歩しながら、パリのアパルトマンに戻る。

家に着き、美術館で買ったポストカードを部屋に飾った。街の喧騒に耳を澄ませながらベッドに潜り込み、本を開く。最近はサン=テグジュペリの本を眠くなるまで読んでいる。そういえば、もうすぐこの本も読み終わりそうだ。明日は街で見つけたかわいい古本屋に行こうかな・・・。

・・・と、このような具合で、大変稚拙なフランスの想像はできるが、フランス語は知らない。

「海外旅行行くならどこ?」というお馴染みの質問にも、どうやらフランスはおしゃれらしい、という理由で「フランスかなあ」と答えていた私。知っている単語は「ボンジュール」と「メルシーボクー」の二つくらいである。「いつかフランスに行けたらいいなあ」という漠然とした希望は抱いていたが、そのために何か行動したことはなかった。

「もしかすると、実はフランス語得意なのかもしれない・・・!」と、私の中のまだ見ぬ才能に賭けてフランス語を選択してみたが、残念ながらそんなものはなかった。6年間かけて学んできた英語と同じように、地道に努力していくしか方法がないらしい。

それにしても、フランス語は覚えることが多い。「なんでこんなことになっちゃったの・・・」と動詞の活用群を目の前にして、軽く絶望した。

フランス語なのに英単語が頭をよぎったり、言い慣れない発音があったりと、なかなか前途多難である。参考書をぱらぱらとめくり、気が遠くなった。

しかし、日頃からゴールがよく分からない制作をしている自分にとって、答えがある勉強をするのは心地よかった。パズルのように、文法事項にピースをぱちぱちと当てはめていく作業は結構楽しい。

フランス語を初めて一年と少しが経った。「ボンジュール」と「メルシーボクー」しか知らない状態から、着実に語彙も知識も増えている。残念ながらネイティブの先生が何を話しているのかは全く分からないが、いつか私はフランスに行こうと思う。