原典資料研究

担当教員:玉井尚彦
Instructor:TAMAI Naohiko

概要

Abstract

この授業では、アートの周縁領域を扱った英文を読みながら、表現に親しみ、分析する目を養います。その過程で、言語学—ことばの科学—の紹介も行います。原典資料研究1(ことばの世界への誘い)では、文よりも大きな視点に着目する談話機能文法という枠組などを参考に、マクロな側面に着目します。原典資料研究2(文の世界)では、文の構造を扱う統語論という枠組の初歩に触れながら、ミクロな側面に着目します。「表現を味わう」ことに分析的な見方を導入することも芸術と無縁ではない、という意識で臨んでみましょう。

履修生による紹介

─2021年度 総合芸術学科 3回生 池上真奈

この授業では、英語文献の講読を通して読解技術を養うことに加え、言語学の観点から「ことば」の科学的分析を行い、言語そのものについて学ぶことができます。

講読する文章は受講者の専攻や興味関心を考慮して選ばれ、半期にわたって美術に関する様々なテキストを読み進めていきます。2021年度の授業内で扱ったテーマは、海外のアート情報サイトの記事を中心に「現代アートと社会運動」「地域の中のデザイン」「言語と作品との関係」など多岐にわたります。また、この授業では双方向的な形式が取り入れられています。学生が段落ごとに訳出していき、その都度教員が解説するという形で授業が進むため、英文法や文章の内容に疑問を感じた際には、その場で質問したり、参加者の間で意見交換をすることができます。英文の内容把握だけでなく、文章内の英語表現をもとに「ことば」の構造や他言語との比較などといった言語学的な分析も紹介され、言語に関する幅広い知見を深める機会となります。

授業を通じて、英文の読解力を身につけることはもちろん、言語学という「ことば」への科学的アプローチから英語に触れることによって、私たちの身近な存在である「ことば」について、より一層多面的で新しい発見が得られるはずです。ことばの世界や言語学習に興味のある方は、是非受講してみてください。