【終了】ULA seminar #4

2022 ULA seminar #4
─「風を科学的に理解する」

日時:2022年5月30日(火) 13:30-15:00
場所:新研究棟共同講義室
発表者:沈楠(美術研究科 日本画領域博士課程)、磯部洋明(美術学部共通教育)
要旨:今回のセミナーのきっかけは、日本画博士課程の沈楠が「風」をテーマに制作をするにあたって、「風」とはいったいどういうものなのか科学的に学びたいと考えたことです。セミナーではまず沈が自分の制作について簡単に紹介し、その後、物理学者である磯部が、流体力学や大気・気象の物理学など「風」を科学的に理解するとはどういうことか、そして何を学ぶことが沈の制作にとって有益なのかについて、沈との対話を通して探りながら解説します。

沈楠さんの日本画作品画像
沈楠 「不在である管鮑」

当日のレポート

このセミナーの主目的は「沈さんが風の科学について学ぶ」でしたが、当日は沈さんの指導教員である日本画の小島先生、芸術学の深谷先生、竹浪先生をはじめとして、教員や学生が10人ほど参加してくれました。

まず沈さんが絵画における「図」「地」の関係に関わるご自身の研究・制作のテーマについて発表し、その中でなぜ自分が「風」についてもっと知りたいと考えたのかを説明しました。その後磯部から、流体力学、乱流、大気物理学、複雑系とカオスなどのキーワードに、ときおり数式も交えながら1.5時間ほど講義をしました。風に関わる科学の基本を学ぶというよりは、何かを科学的に理解するとはどういうことなのかについて、風の場合を例に議論したという感じです。

この日のセミナーを受けて、今度は沈さんが自分が得たことを制作に落としこんで、持ってきてくれることになっています。「風」に関する画家と物理学者の対話が今後どう発展するか、楽しみです。

(報告:磯部)

風の科学講義中のホワイトボード1
風の科学講義中のホワイトボード2
沈楠さんのプレゼンより