トランスクリエーション入門ー小塚泰彦氏を招いて

中村翠(美術学部共通教育)

私が担当した2021年度後期「比較文芸論」の授業では、解釈の問題とアダプテーションについて学んできました。
アダプテーションとは、既存の物語を異なる芸術ジャンルに置き換えて語り直す行為・あるいはそのプロセスを経た作品を指します。

授業のうちの一回は、アダプテーションとも関連のある、Transcreation(創訳)の仕事に携わる小塚泰彦氏を招き、トランスクリエーションとは何なのか、教授いただきました。

ちなみに19世紀初頭のイギリスでは、原文に忠実に訳することをtranslation(翻訳)、翻訳される先の国にあわせて人物の名前や背景となる文化に改変しつつ訳すことをadaptation(翻案)と呼び、使い分けをしていたようです。(典拠:Theorizing Adaptation, Kamilla Elliott, 2020)

このことからも、アダプテーションと翻訳が地続きであることがわかります。その両者と、それらの狭間に位置するようなトランスクリエーションの関係について、考える良いきっかけとなった授業でした。

この授業の内容を、小塚氏らの運営するTranscreation Lab.のウェブサイトでとりあげていただきましたので、ご覧ください。

https://transcreationlab.com/interview/yasuhikokozuka